SNSの世界に飛び込むことで「わたし」が出来た
そもそも、わたしは「恋愛」に興味がなかったわけではありません。
恋愛漫画や小説を読んで、恋心に憧れた時期もあります。
でも「恋愛」は相手があって成立するものであり、ひとりではできません。
また、女性であるわたしは男性と恋愛するのが一般常識としてありました。
でもその「恋愛」の相手である男性に対して、わたしは良い感情を一切持っていませんでした。
幼少期から受けていた性的暴行
付きまとい、ストーカー
勝手に所有物にされる
セクハラ
都合が悪くなると全ての責任を負わされる
こうした状況をどうにか変えたくて助けを求めても、「勘違いさせるお前の行動が悪い」と言われてしまい、切り捨てられました。
誰にも頼ることができない。
自分の身は自分で守らなくてはならない。
そうしてわたしは、後輩・同級生・先輩・先生など、すべての年代の男性に対して好印象を持つことはなくなりました。
女性らしい恰好やスカートを穿かず、
男性と接触する機会を減らし、
必要最低限の事務的会話しか行わず、
愛想笑いもすることなく不愛想でいる。
そうすることで誰と噂されることもなく、何も起こらなくなって、平和な日常が訪れました。
穏やかな日常を数年過ごして、漸く、わたしは心のゆとりができるようになりました。
今から思えば、当時のわたしはかなり閉じこもった状態でした。
ただ何年もこの状態で過ごしていて、きっとこのままでは良くないだろうなという考えも持っていたので、顔を見ることも逢うこともないSNSの世界に飛び込むことにしました。
この勇気が、今のわたしに繋がる大きな一歩だったと思います。
勇気を出して仲良くなった人たちは、とても穏やかで優しい人たちでした。
そんな人たちに触れ合うことで、少なからず他人への恐怖が薄まり、性別を必要としされない安心感をたくさん得る事で、SNS上の相手が男性だとわかっても拒否反応を示すことが減りました。
人間、心にゆとりがないと他人に優しくなんてできません。
何年も穏やかに過ごすことでSNS上でのわたしは、誰にでも優しく、誰も特別扱いしない、穏やかで平等な人間となりました。
まあ、いわゆる八方美人ですね。
そうして日々を過ごすことで、現実の「わたし」も他人と関わるには八方美人でいいと思うようになりました。
社会に出て仕事をするようになっても、その「わたし」という人間性は大いに役立ちました。
だからこれでいい。このままでいい。と思うようにもなりました。
ということで、SNSの世界に飛び込むことで「わたし」が出来た、というお話でした。