もっと好きになってもらいたい
恋人さんはものすごくモテます。
男女ともに人気があるという表現が正しいくらいにモテます。
恋人さんの気持ちがわたしを向いていることを知っていますし、それを微塵も疑ってはいません。
疑ってはいませんが、嫉妬する気持ちは別です。
遠距離で逢えないのは寂しいものです。
それをわざわざ刺激するかのように、過去付き合っていた人と逢ってきたと言われてしまうと膨れ上がる気持ちがあります。
ずるい!
わたしは逢えないのに、どうして別れたそのひとは逢えるの!
逢いたいのに逢えない状態だったこともあって、その気持ちは強くありました。
割とよくある過去の恋人同士が「よりを戻す」ということは微塵も浮かびませんでした。
だってそのひとは、わたしの恋人さんを傷つける存在だったからです。
そして恋人さんも、傷つけられているのを受け入れている状態でもありました。
二人が過ごしてきた時間は、二人にしかわかりません。
その時の話を聞くことはできても、想いは共有できません。
わたしには、未だに恋人さんの大切なひとの基準がわかりません。
でも、大切にしてくれないひとを大切に想うのは、第三者のわたしから見ていてとてももどかしくて切り離したいものでもあります。
わかってはいるんです。
すでに大切なひとにカテゴライズされているひとを「切り離す」なんて恋人さんには無理なんです。
だからわたしは、この「嫌なひと」に負けないくらい、恋人さんに好きになってもらおうと決意しました。
「嫌なひと」と天秤にかけたって負けないくらい、大切で手放すことなんかできない存在になろう、と。
そのひとの相手をする時間があるなら、わたしとの時間を過ごしたいって強く想うくらいにベタ惚れで夢中になってもらおうと思ったのです。
というわけで、もっと好きになってもらいたい、という話でした。